ウイルス検出体外診断薬開発事業
我々の強みである生きた感染性ウイルスを取り扱う技術は、抗ウイルス活性物質の探索のみならず、ウイルス検出技術の研究開発おいても優位性を発揮します。
私たちは2019年12月に発生した新型コロナウイルスのPCR法を翌年1月には完成し、さらに簡便に多くの検体を扱うための技術の改良を進めました。それにより沖縄県において発生した多くの陽性者の検出が可能となりました。コロナ禍において世界中で採用されたいわゆる「PCR検査」をより迅速・簡便・安価なものに改良し、先進国のみならず途上国にも実装可能なウイルス検査薬の開発を引き続きおこなっています。
また、次世代シークエンサーを用いたウイルスゲノム解析や「PCR検査」に換わる次世代のウイルス検出法の創出にも取り組んでいます。
ウイルス検査キットの開発事例
蚊媒介ウイルス種判別キット
- Dengue virus (DENV)
- Zika virus (ZIKV)
- Chikungunya virus (CHIKV)
- Japanese encephalitis virus (JEV)
デング熱ウイルス血清型判別キット
- Dengue virus 1型
- Dengue virus 2型
- Dengue virus 3型
- Dengue virus 4型
SARS-CoV-2検出用 RT-qPCRキット
ウイルス感染症領域におけるR&D支援事業
人類の歴史は感染症との闘いの歴史と言っても過言ではありません。
これまで人類はその戦いに必ずしも勝利できず、おびただしい数の命がその犠牲となってきました。長い間感染症の病原体はその実態すらわからない状況が続いてきました。
その状況が一転したのは、顕微鏡が発明され、感染症の本体である微生物の存在が明らかになった18世紀に入っての事でした。コッホは微生物と病気の関りを明らかにし(コッホの4原則)、パスツールはワクチンの開発に成功しました。さらに病原性微生物の増殖を阻害する抗生物質の発見は人類に漸く感染症の戦いに勝利する光を照らしてくれました。
しかしながら、20世紀に入ると、顕微鏡でも見つけられないより小さなウイルスの存在が明らかになり、ウイルスがさらに多くの人々を苦しめる存在であることが明らかになってきました。そのウイルス感染症に立ち向かう手段としてワクチンがさらに発達し、その治療薬の開発が加速してきました。
抗ウイルス剤の開発が本格的に進んだのは1980年代のAIDS(エイズ)の流行でした。AIDS治療薬の開発は、抗ウイルス剤の開発に迅速に対応できる評価系(スクリーニング法)が開発されたことが重要な役割を果たしてきました。極めて短期間に多くの物質についてウイルスの増殖を止めるか否か調べることが出来るようになったのです。このスクリーニング法の開発に初期から関わってきたのがAVSSの創業者である長崎大学元教授小林信之です。AIDSの発見からおよそ40年が経った今、多くの抗AIDS薬が開発され、AIDSはその病気の発症を制御できるようになりました。
そうしたAIDSを取り巻く状況とは対照的に、残念ながらまだまだ多くのウイルス感染症の治療薬の開発が進んでいないのが現状です。それどころか、今世紀初頭から、SARS、新型インフルエンザ、MERS、COVID-19と次々に新たなウイルス感染症が発生しています。
今後も新たなウイルス感染症の出現が懸念されます。
株式会社AVSSはこの様な状況の中、ウイルス感染症の治療薬の開発を目指して起業しました。
コロナ禍で我々が学んだことは、ウイルス感染症対策は全世界で取り組むべきGlobal issueだという事です。そして平時において我々はこの様なウイルス感染症に対して十分に対応する事を忘れていたという事です。
我々は、我々のvisionに共感し共に研究開発を推進して頂ける研究者や研究機関を常に探し求めております。
将来のウイルス感染症対策に資する研究開発を共に進めてまいりませんか?
我々の保有する技術・知見に基づき、ウイルス感染症領域における各種研究開発をサポートいたします。